産前、産後でこのようなお悩みを抱えている方に向けて作成しています。
どうも。
女性の健康を専門にしている理学療法士のSHOです。
今回は、『妊娠中の姿勢』についてまとめてみました。
妊娠中は胎児の成長にともなって、姿勢が変化します。適切なケアをしなければ、この姿勢異常は産後も続く可能性があります。
姿勢異常のポイントや有効なトレーニングについて、確認してみましょう。
妊娠中の姿勢の特徴
まずは通常の姿勢から。
多少の個人差はありますが、おおよそ理想的な姿勢とはこのような姿勢です。
図1,理想的な姿勢
次に妊娠中の姿勢です。
妊娠中はお腹が大きくなるので、重心が前方に移動します。
そのため、通常とは異なる姿勢のパターンとなります。
妊娠中の特徴的な姿勢としてSway Backがあげられます。
図2,Sway Backの姿勢
この姿勢では、お腹や膝が前方に移動し背骨の上部(胸椎)が大きく後弯しています。頭は前方に突出しているため、見るからによくない姿勢です。
この姿勢は胎児の成長にともない、重心位置が変化することが影響していると考えられます。そのため、無理に元の姿勢に戻そうとすると、かえってバランスを崩す可能性があります。
では、Sway Backの姿勢は
いったい何が問題なのでしょうか?
特定の筋肉が弱くなる
Sway Backの姿勢では、以下のような問題が起きると言われています。
- ハムストリングスが硬くなる
- 股関節の前面が硬くなる
- 股関節の前面の筋肉が弱くなる
- お尻の筋肉が弱くなる
- 腹筋が弱くなる
実際、ポスチャーラボに来店される方の多くは
Sway Backの姿勢であることが多いです。
ところが、筋肉が硬いという印象はあまりありません。その場で骨盤を前後に傾けることは容易にできますし、姿勢も意識をすればすぐに修正する事ができます。
つまり、産前、産後のSway Backの原因は筋肉の硬さというよりも、
筋肉が弱くなることで引き起こされる可能性が高いと考えています。
また、Sway Backの姿勢は骨盤の前傾とセットで説明されることが多いですが、これも、やや違和感を感じます。
骨盤の傾きには個人差があり、現にSway Backで骨盤が後傾しているケースはよく遭遇します。
この辺りは無理にケースに当てはめず、
個別にチェックをする必要がありそうですね。
ちなみに、、、Sway Backの姿勢の多くは「産後も持続します。」
そのため、産前から産後を通してケアを行う必要があると言えます。
これらを考慮し、産前、産後におすすめしたいトレーニングをご紹介します。
と・・・その前に!
妊娠中の方は、運動を始める前に、
必ず、主治医の先生に相談をしましょう。
妊娠中や産後の状態によっては運動によって、母体や胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠前の運動は推奨されているとはいえ、自己判断での運動は大変危険です。
何度も言いますが、まずは主治医の先生に相談を行いましょう。
おすすめの筋トレ3選
スクワット
スクワットは足の筋肉を効率よく鍛える上で重要なトレーニングです。
ちなみに、通常より前かがみの姿勢で行うスクワットは、Sway Backで弱くなりやすいお尻を鍛えるのにおすすめです。スクワットはバリエーションがたくさんあるので、工夫を加えることで、より効果的にトレーニングを行うことができます。
Cat Cow
妊娠中に弱くなりやすい、体幹のインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。
このトレーニングは腰痛予防や骨盤底筋トレーニングとしても行われており、産前、産後にぜひ行いたいトレーニングの一つです。
Bird Dog
Cat cowと同様に体幹のインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。
産後の腹直筋離開にも安心して行うことができるので、こちらもぜひ、行いたいトレーニングのです。
生活のコツ
トレーニングを行なって、弱くなりやすい筋肉を鍛えることは重要ですが、
休むことも大切です。
慣れない姿勢の変化で疲れやすいと感じている方も多いでしょう。
ここでは日常生活で少しでも楽に過ごすポイントをご紹介します。
▪️横になる
・妊娠後期には、仰向けの姿勢は避けましょう。仰向けになるとお腹の大きな血管を圧迫し
気分が悪くなることがあります。
・横になる時は、膝を少し曲げ、体を捻らないように注意をしましょう。
・楽に過ごすために、背中の後ろや足の間、お腹の下をサポートする枕やバスタオルを使用
しましょう。
・ベッドから起き上がる時は、腕と手で上半身を起こすと同時に足をベッドの端から下ろし ましょう。そうすることで楽に起き上がることができます。
・立ち上がる際は、足の筋肉を使ってゆっくりと立ち上がりましょう。安定した手すりを支 えに立ち上がることも重要です。
▪️座る
机で仕事をする場合など、適切な姿勢が重要です。良い姿勢を維持するために以下のポイントを意識しましょう。
・腰のサポート付きの頑丈な椅子を使用しましょう。膝は腰よりもわずかに低く、足は全面
が床に触れている必要があります。
・肩をリラックスさせ、肘をアームレストに乗せた状態が理想です。
・車輪付きの椅子は思いがけない方向に動く可能性があるので避けましょう。
・1時間ごとに立ち上がり、歩きましょう。また、座っている時に足を組むと、循環を損なう
可能性があるので注意しましょう。
▪️立つ
立つときのポイントを確認しましょう。
・長時間同じ姿勢で立つことは、一部の筋肉に負担をかけることになりますので、避けまし
ょう。
・仮に長時間立つ場合は、小さな段差などに片足を乗せてください。この姿勢は腰の疲れを
和らげる効果があります。
終わりに
Sway Backは姿勢異常として扱われますが、妊婦にとってはバランスを調整する重要な役割もあります。
姿勢の特徴から、弱くなりやすい、また硬くなりやすい箇所があるので、そこをにフォーカスしてトレーニングを行うことが大切です。
適切なケアを怠ると産後もこの姿勢が続く可能性があります。
早めから意識して対策を行いましょう。
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