産後の運動のはじめ方
米国産科婦人科学会(ACOG)によると、いつから運動を開始するかは、どのような妊娠・出産を経験したかによって異なります。
一般的に、健康な妊娠・出産であれば、準備が整った時点で運動を開始することができます。
出産後、数日や1週間ほどで始める人もいます。(実際にはもっと時間がかかっても全く問題ありません。)
この時期に始める運動は、『産褥体操』と呼ばれるもので、寝転がったままでも簡単に行うことができます。
帝王切開や、会陰裂傷などの合併症がある場合は、いつ頃から運動を始めたら良いか主治医と相談をしましょう。
ジムやウォーキングなどで1日20~30分程度の有酸素運動でアクティブな状態を保つことを目指しましょう。
さらに、腹筋や脚、大臀筋、背中などの主要な筋肉を強化する簡単な産後エクササイズを10分ほど追加すると良いでしょう。
忙しくてまとまった時間が取れない場合は、1回を10~15分程度にして、1日2回行うのも良いでしょう。
例えば、朝に15分のウォーキング、夜は10分のヨガや腹筋を強化するエクササイズを行います。
体力が戻り、体の調子が良くなってきたら、時間や強度を追加していけばよいのです。
妊娠後の運動があなたにとって良い理由
運動は、どんな人にとっても気分を改善し、筋肉を強化し、調子を整える最良の方法の1つです。
特に産後の期間中は次のような効果が期待できます。
- 妊娠中に引き伸ばされた腹筋を強化し、調子を整える
- エネルギーを高める
- 熟睡できる
- ストレスを和らげる
- 増えた体重をスムーズに減らす手伝いをする
いくつかのレビューによると、産後の軽度から中等度の有酸素運動(ウォーキングなど)は、軽度から中等度のうつ症状を改善する効果があります。
産後の運動で特に大事なことは?
体幹の強さを取り戻すことです。横隔膜、腹横筋、骨盤底筋に焦点を当てることをお勧めします。
1.骨盤底筋運トレーニング(ケーゲルエクササイズ)
産後期間中にこれらの運動を続けると、骨盤底筋を強化するのに役立ちます。
- 骨盤底の筋肉(尿もれを防ぐ効果)を引き締める。
- 10秒間保持します。
- 一日に何回も繰り返す
2.腹式呼吸
腹式呼吸は、出産後早期に開始できる運動です。毎日数分かけて呼吸に集中すると、リラックスしてストレスを軽減するのに役立ちます。
また、体幹の安定性にも関わるのでしっかり鍛えたいポイントですね。
- ヨガマットの上で仰向けに横たわる。
- つま先から頭のてっぺんまで体をリラックスさせます。
- 胸に手を置き、お腹の上にもう片手を置きます。
- 鼻から深呼吸してください。あなたの胸はほとんど静止したk状態です。2〜3秒間息を吸ってお腹を膨らましてください。
- そして、ゆっくりと息を吐きます。
- 2〜3分間を目標に行いましょう。
3.歩く
赤ちゃんをベビーカーで押しながら歩くことは、あなたの体に良い負荷を与えます。特にお尻の筋肉です。
立ち止まった場所で浅めのスクワットを行うと、なお良いです。
4.キャットカウ
キャットカウストレッチは、背中の筋肉をサポートし、体幹を強化し、背骨の可動性を促進するヨガの動きです。
産後のトレーニングにこの動きを含めることは、腰痛を軽減する効果があります。
- 床の上で四つんばいになる。背中を平らに保ち、床を見下ろします。手首は肩の真下、膝は腰の下にあります。
- 息を吸って深呼吸してください。息を吐くと、背骨を天井に向かって回します。あなたの頭と骨盤は互いに近づきます。
- 猫の位置を1〜2秒間保持します。その後、吸い込み、背中を曲げ、骨盤を持ち上げて空に向かって、お腹を床にリラックスさせて牛の位置に移動します。
- これを約60秒間連続して実行してください。
ルーティーンにしましょう
- 30分間のウォーキングに続いて、体幹エクササイズを行います。
- (横隔膜呼吸とケーゲルは毎日行うことができます。)
身体の変化に注意しましょう
産後の期間は、運動するたびに、自分の身体をチェックしてください。
- 不快な感じはしないか
- どこか痛みはないか
- トレーニングを行なって調子が良いと感じるか
可能であれば、日記のような形で日々のトレーニングの後にこれを行うようにしてください。
そうすれば、医師や理学療法士に相談する必要がある問題をすぐに見つけることができるようになります。
この期間中に注意すべき問題点には、次のようなものがあります。
- 膣出血
- 腹痛
- 骨盤周囲の突然の痛みや不快感
※この時期の骨盤はホルモンの作用でデリケートです。バキバキ整体のような危険な施術は絶対に避けましょう。
終わりに
いかがだったでしょうか?少しでも産後の運動のイメージができましたら幸いです。
産後のトレーニングで気になることがありましたら、なんでもご相談ください!
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